尖圭コンジローマまたは尖形コンジロームともいいますね。
以前HPVのところで簡単に紹介しました。
http://kyouyablog.blog.2nt.com/blog-entry-479.html
今回は独立した記事で改めて紹介したいと思います。
HPVというウイルスが原因の病気です。
HPVには多くの型があり、中でも6型・11型などが原因となります。
HPVでは子宮頚ガンの原因になるハイリスク型が有名になってきていますが、
こちらはローリスク型と呼ばれるものですね。
<症状>
尖圭コンジローマの症状は、性器周辺の上皮にイボができます。
痛みやかゆみはないことが多いのですが、どんどん増殖していきます。
<治療法>
尖圭コンジローマは完治する病気です。
その治療法ですが、症状や男女によって異なります。
まずイボが出ると薬を塗ったり焼き切ったりなどをしますが、
これらはいわゆる対症療法です。
本当の意味で完治するには、
尖圭コンジローマの原因であるHPVが消失しないといけません。
ですが、HPVを直接攻撃するような治療法はまだないんですね。
そのため、究極的には「免疫によって排除されるまで待つ」しかありません。
つまりは自然治癒ですね。
なんとも受身な治療法ですが、仕方のないところです。^^;
<完治の目安>
完治までにどのくらいの期間がかかるかというと、
一般的には半年程度だと言われています。
ただ「1年以上症状が出ていない相手としかしない」という予防法も
あるくらいなので、半年たてば絶対大丈夫というわけでもありません。
イボが発症した場合は治療の半年後くらいに検査をし、
そこで反応がなければ完治となります。
ただ、実際はわざわざ検査をしないで、
治療から半年ほど経過すれば完治扱いというケースも多いようです。
(このあたりは医師によっても対応が分かれるところです)
一方、イボが出なかった場合はそもそも治療(対症療法)ができません。
別に対症療法はしなくても、きちんと免疫で自然治癒はするわけですが、
困ったことに症状がない状態だと医師は治療行為が行えません。
正確には「保険がきかない」んですね。
すると「検査」もできないということになります。
また、その検査自体にもいろいろと難しい点があります。
まずHPVの型は本当にたくさんの種類があるので、
完治を確かめるには関係する全ての型の検査が必要になります。
実際にすると、そのぶんかなりの手間と費用がかかりますよね。
なので通常はよくある型で検査をしがちですが、
これだと低確率ながら、別の型の検査漏れが起こります。
さらに男性についてはHPVの検査法自体が確立していませんし、
そもそも全ての型のHPVが発見・解明しつくされていません。
そう、穴だらけなんですね。
なお、長期間発症しないからといって完治したとは言い切れず、
発症しないまま何年もの長期間潜伏を続けるケースもあるようです。
必ず専門の医師と相談しながら治療にあたってください。
<再感染に注意>
尖圭コンジローマはよく「再発しやすい」と言われますが、
これは単に完治していないだけで、1度完治すれば「再発」はしません。
でも、上に書いたように完治したかどうかがはっきりしないので、
再発が多く起こることになります。
一方、「再感染」もしやすいです。
上皮感染で免疫系が覚えないため、何度でも再感染します。
普通の病気は1度感染すると免疫ができて当分の間は再感染しませんが、
尖圭コンジローマは治っても即座に再感染する可能性があるわけですね。
そのため、外見上の症状だけを見て「治った」と思い込み、
しばらくしてからウイルスが再活性して発症したり、
相手から再度感染させられて発症したりするのがよくある流れです。
また、この病気で一番注意したいのがピンポン感染です。
ピンポン感染とは片方が治ったと思ったらすぐにもう片方にうつされ…と、
お互いに病気をうつしあう状態で、永遠に繰り返すことになります。
片方が感染していれば、もう片方もほぼ確実に感染していますから、
たとえ症状がなくても必ず一緒に治療を行い、
完治するまではセックスなどの行為を一切やめておきましょう。
<潜伏期間にも注意>
尖圭コンジローマは潜伏期間が長い病気です。
また、発症してもイボが出ないケースもあります。
(女性よりも男性のほうが多いです)
イボ以外に大した変化がないこともあって、
見た目だけでは感染しているかどうか断定できません。
そのため、知らないうちにパートナーに感染させるケースも多いです。
<相談先>
一番は性病科の専門医です。
男性は泌尿器科か皮膚科、女性は婦人科でもよいのですが、
性病がマイナーなせいか、HPVはまだ研究途上なせいか、
知識が追いついていない医師も多いのが現状のようです。
(私も泌尿器科で誤診された経験があります)
性病科が近くにあればそこで。
無いなら、性病に詳しい泌尿器科・皮膚科・婦人科の医師にしましょう。
<予防法>
粘膜感染ですので、フェラなどのオーラルセックスはほぼ確実に感染します。
ディープキスでも感染するという医師もいますね。
一番手軽な方法は「コンドーム」の着用です。
性器周辺の皮膚についたウイルスが相手の皮膚を介して性器に到達するなど、
コンドームでも100%は防ぎきれないという見方もあるようです。
そのため残念ながら絶対の方法とは言い切れませんが、
感染の確率を下げることができるのは間違いありません。
もちろん他の多くの性病はかなり高確率で防ぐことができるので、
ぜひ積極的に活用していきましょう。
ただ、おそらくこれからの時代は(これまでも?)、
HPVと共存していく意識も必要になってくると思います。
もともとイボは誰にでもできるものですよね。
型が違うだけでHPVの感染自体は昔から日常茶飯事です。
最近ワクチンができましたが、それも所詮は数個の型にしか対応していません。
(まだ効果もはっきりしていなかったりしますしね)
現状HPVは完全に予防することが不可能な病気です。
なので、気にし過ぎることも精神衛生上よくないでしょう。
もちろん、無駄に多くの相手とセックスをしないことも大切です。
くれぐれも相手選びは慎重に、少なくとも後悔しない相手とどうぞ。
<補足>
同じHPVが原因の尖圭コンジローマと違って、
子宮頚ガンは定期検査をすることで完全に予防することが可能です。
予防不可能なHPVを過度に怖れるのではなく、
予防可能な行動(定期健診)をしっかりしていくことが大切だと思います。
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HPVというウイルスが原因の病気です。
HPVには多くの型があり、中でも6型・11型などが原因となります。
HPVでは子宮頚ガンの原因になるハイリスク型が有名になってきていますが、
こちらはローリスク型と呼ばれるものですね。
<症状>
尖圭コンジローマの症状は、性器周辺の上皮にイボができます。
痛みやかゆみはないことが多いのですが、どんどん増殖していきます。
<治療法>
尖圭コンジローマは完治する病気です。
その治療法ですが、症状や男女によって異なります。
まずイボが出ると薬を塗ったり焼き切ったりなどをしますが、
これらはいわゆる対症療法です。
本当の意味で完治するには、
尖圭コンジローマの原因であるHPVが消失しないといけません。
ですが、HPVを直接攻撃するような治療法はまだないんですね。
そのため、究極的には「免疫によって排除されるまで待つ」しかありません。
つまりは自然治癒ですね。
なんとも受身な治療法ですが、仕方のないところです。^^;
<完治の目安>
完治までにどのくらいの期間がかかるかというと、
一般的には半年程度だと言われています。
ただ「1年以上症状が出ていない相手としかしない」という予防法も
あるくらいなので、半年たてば絶対大丈夫というわけでもありません。
イボが発症した場合は治療の半年後くらいに検査をし、
そこで反応がなければ完治となります。
ただ、実際はわざわざ検査をしないで、
治療から半年ほど経過すれば完治扱いというケースも多いようです。
(このあたりは医師によっても対応が分かれるところです)
一方、イボが出なかった場合はそもそも治療(対症療法)ができません。
別に対症療法はしなくても、きちんと免疫で自然治癒はするわけですが、
困ったことに症状がない状態だと医師は治療行為が行えません。
正確には「保険がきかない」んですね。
すると「検査」もできないということになります。
また、その検査自体にもいろいろと難しい点があります。
まずHPVの型は本当にたくさんの種類があるので、
完治を確かめるには関係する全ての型の検査が必要になります。
実際にすると、そのぶんかなりの手間と費用がかかりますよね。
なので通常はよくある型で検査をしがちですが、
これだと低確率ながら、別の型の検査漏れが起こります。
さらに男性についてはHPVの検査法自体が確立していませんし、
そもそも全ての型のHPVが発見・解明しつくされていません。
そう、穴だらけなんですね。
なお、長期間発症しないからといって完治したとは言い切れず、
発症しないまま何年もの長期間潜伏を続けるケースもあるようです。
必ず専門の医師と相談しながら治療にあたってください。
<再感染に注意>
尖圭コンジローマはよく「再発しやすい」と言われますが、
これは単に完治していないだけで、1度完治すれば「再発」はしません。
でも、上に書いたように完治したかどうかがはっきりしないので、
再発が多く起こることになります。
一方、「再感染」もしやすいです。
上皮感染で免疫系が覚えないため、何度でも再感染します。
普通の病気は1度感染すると免疫ができて当分の間は再感染しませんが、
尖圭コンジローマは治っても即座に再感染する可能性があるわけですね。
そのため、外見上の症状だけを見て「治った」と思い込み、
しばらくしてからウイルスが再活性して発症したり、
相手から再度感染させられて発症したりするのがよくある流れです。
また、この病気で一番注意したいのがピンポン感染です。
ピンポン感染とは片方が治ったと思ったらすぐにもう片方にうつされ…と、
お互いに病気をうつしあう状態で、永遠に繰り返すことになります。
片方が感染していれば、もう片方もほぼ確実に感染していますから、
たとえ症状がなくても必ず一緒に治療を行い、
完治するまではセックスなどの行為を一切やめておきましょう。
<潜伏期間にも注意>
尖圭コンジローマは潜伏期間が長い病気です。
また、発症してもイボが出ないケースもあります。
(女性よりも男性のほうが多いです)
イボ以外に大した変化がないこともあって、
見た目だけでは感染しているかどうか断定できません。
そのため、知らないうちにパートナーに感染させるケースも多いです。
<相談先>
一番は性病科の専門医です。
男性は泌尿器科か皮膚科、女性は婦人科でもよいのですが、
性病がマイナーなせいか、HPVはまだ研究途上なせいか、
知識が追いついていない医師も多いのが現状のようです。
(私も泌尿器科で誤診された経験があります)
性病科が近くにあればそこで。
無いなら、性病に詳しい泌尿器科・皮膚科・婦人科の医師にしましょう。
<予防法>
粘膜感染ですので、フェラなどのオーラルセックスはほぼ確実に感染します。
ディープキスでも感染するという医師もいますね。
一番手軽な方法は「コンドーム」の着用です。
性器周辺の皮膚についたウイルスが相手の皮膚を介して性器に到達するなど、
コンドームでも100%は防ぎきれないという見方もあるようです。
そのため残念ながら絶対の方法とは言い切れませんが、
感染の確率を下げることができるのは間違いありません。
もちろん他の多くの性病はかなり高確率で防ぐことができるので、
ぜひ積極的に活用していきましょう。
ただ、おそらくこれからの時代は(これまでも?)、
HPVと共存していく意識も必要になってくると思います。
もともとイボは誰にでもできるものですよね。
型が違うだけでHPVの感染自体は昔から日常茶飯事です。
最近ワクチンができましたが、それも所詮は数個の型にしか対応していません。
(まだ効果もはっきりしていなかったりしますしね)
現状HPVは完全に予防することが不可能な病気です。
なので、気にし過ぎることも精神衛生上よくないでしょう。
もちろん、無駄に多くの相手とセックスをしないことも大切です。
くれぐれも相手選びは慎重に、少なくとも後悔しない相手とどうぞ。
<補足>
同じHPVが原因の尖圭コンジローマと違って、
子宮頚ガンは定期検査をすることで完全に予防することが可能です。
予防不可能なHPVを過度に怖れるのではなく、
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